●くにさんからお寄せいただいた文章
皆さん,はじめまして。いずさん,こんにちは。

私は現在,アメリカはカリフォルニア州に在住しております,岸 邦彦と申します。日本での仕事を辞めて,現在アメリカにある,「アスレティック・トレーナー」という資格を取得中の留学生,29歳の柔道バカです。
 柔道を始めてもう20年が過ぎてますが,いまだに続けております。現在は「フレスノ柔道クラブ」と「カリフォルニア州立大学柔道部」のアシスタント・コーチとして週に出来る限り指導に行っております。
 監督は「今村春夫」という,日本から35年ほど前にアメリカへ移住された方です。
何と今村先生は天理大学柔道部の初代キャプテンを務め,創部3年目にして天理大学を学生日本一に導いた立役者です。
 練習は土曜日以外の毎日です。月・水・金は大学で。火・木は柔道クラブの道場で夜の7時から9時頃までの2時間と日曜日の早朝6時から8時までの2時間程度です。
部員数は学生としては7名ほど。うち2人は日本からの留学生。その他フレスノ柔道クラブのメンバーとしては子供から大人まで合わせて30名程度です。特に社会人の方が多く,仕事を終えてから来られてます。
 練習内容としては,おそらく日本とそれほど変わっていません。ただ本数は非常に少ないです。乱取りは5分×6本もやれば多い方です。寝技も5分×5本で多いぐらいですね。和やかさももちろんありますが,乱取り中は、みんな本当に集中して、まさに試合のようにやってます。この集中の仕方は十分に見習えるところでしょうね。
 試合成績としては,今村先生の四男のランディーが膝の手術による2年のブランクからようやく復帰し,2週間ほど前に行われた「シニア・ナショナルズ」(日本で言う,講道館杯)といわれる,試合に81kg以下級で出場し,2位という,復帰後としては十分な成績を出してくれました。シドニーへ向け光明がさしてきています。その他は上記大会の60kg以下級でボー・スナハラという学生が4位と好成績を挙げてくれました。アメリカの柔道はレベルが全体的にまだまだ低いですが,こちらの環境を考えるとよくやっているのではないでしょうか。
こちらの柔道選手から学んだ大きな点は,「柔道が好きだからやってるんだ」といことでしょうか。練習に来たくなければ来ないし,やめたければいつでもやめていきます。強制は一切されてません。しかも仕事を終えてから来られる方々を見てると,柔道が好きなんだなということがよく理解できます。
 また、監督でいらっしゃる今村先生と,お付き合いさせて頂いていると,「柔道人の懐の深さ」を改めて痛感させられます。故 神永先生を「神永」と呼ぶ立場にありながらも,誰に対しても「えっ!?」と感じさせられるほど腰の低い方なんです。
今村先生の人柄にメンバー達もついて来ているのかもしれませんね。
 今回は写真を貼付できませんが,後ほど柔道部や今村先生,練習風景等の写真もお送りさせていただきます。

1998年5月19日                         岸 邦彦


岸 邦彦のプロフィール
昭和43年9月生まれの29歳,兵庫県出身

小学校より柔道を始め,現在も週数回は稽古に参加。
現役時代は諸先生方より「何で?」と言われるほど全国大会に行ってない試合で勝てないバカな奴。
大学時代も同じ経験を積む。
大学院進学と同時に鹿屋体育大学の女子柔道部コーチとして指導にあたる。同時にトレーナーへの道に興味を持ち,柔道部員にトレーニングから栄養指導を始める。そしてはまった!
グローバル・スポーツ医学研究所へ就職し,全日本柔道チームトレーナーの道を約束されながらも,アメリカへの夢を捨てきれず,この会社を退社し、現在に至る。
これまでに何人かの全日本強化選手へのアドバイスをし、60kg以下級,65kg以下級では全日本優勝者,国際試合優勝者に,裏方として貢献。
現在に至る。

うーん,でも、ただの柔道の好きなお人好しなんです、はい。

5月末より8月の中旬まで日本に帰国します。コンディションのことで何かありましたら,下記までご連絡下さいね。

078−942−1763(岸 邦彦)


柔道がより世界に広まることをお祈りしております。